野菜の島へと続く道
アルプス以北のヨーロッパの中で例外的に温暖な気候に恵まれているのがボーデン湖の島々である。それらの中の一つライヒェナウ島は古くから野菜栽培が主な産業であった。ヨーロッパの田舎は果樹地帯やアルプスのような放牧地を別とすれば、多くは小麦畑の広がる光景が一般的であるのに、このライヒェナウ島では小麦よりも果樹と野菜畑が圧倒的であった。 すでにカロリング時代、マリーエン修道院長ヴァラフリート・ストラボは修道院のハーブ園を『ホルトルス』(ハーブの小さな庭)という作品で讃えていた。野菜作りもおそらく修道院で始められたようである。ホテルやレストランのメニューもボーデン湖の魚と野菜がメインであった。中でも多いのはキャベツとブロッコリー、ブロッコリーは赤や緑の色ごとに一列に植えられていて見事なほど、赤茶色の土にとても映えていた。キャベツが最も多く、近隣でも「ライヒェナウのキャベツ」は有名なようである。マリーエン修道院の修道士と推測されるテオフィルスの『さまざまの技能について』の中でもキャベツから搾った染料が記載されていた。 |
野菜は輝く(2)
春野菜
そんな野菜の島ライヒェナウで、この島ならではと思うお店があった。マリーエン修道院の近くにあるかぼちゃしか売っていないかぼちゃ専門店?で、お店の中を見ても本当に様々な種類のかぼちゃしかない。ハロウィン直前であればこうした専門店があってもおかしくないけれど(この場合は飾りとしてのかぼちゃで食べ物でない)、7月末なのでハロウィンとは関係なしに開いているようだった。 |
世界で唯一?かぼちゃ専門店 | 農家の軒先 |
春に再訪、マロニエ満開
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