アルノルフィーニ氏のアルバイト
 ロンドンのナショナル・ギャラリーにあるファン・アイクの『アルノルフィーニ夫妻の肖像』で知られるジョヴァンニ・アルノルフィーニはルッカ出身の商人で1420年頃からブリュージュに住み、同市にあったブルゴーニュ宮廷での財務に関わっていた。同じ町にファン・アイクも住んでいて、夫妻の結婚を祝う肖像画が描かれたのは1434年のことである。そのアルノルフィーニ氏はレストラン兼ホテルの呼び込みで生活しているらしい。場所はブリュージュのマルクトに近い最も観光客の集まる所、ブルゴーニュの宮廷がブリュージュから消滅してやむなく呼び込み業に転職したのか。世界中でアルノルフィーニ氏に出会える可能性のある都市は故郷のルッカ、長年活躍したブリュージュ、肖像画のあるロンドンであろう。96年に初めて見かけ、その後何度か訪れた時にブリュージュのアルノルフィーニ氏が元気でいるか確かめるのが習慣のようになってしまった。2000年の夏に訪れた時も元気そうに呼び込みをしていた。

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