「寸詰まり」について

 サント・フォワの聖堂で身廊部分は4ベイしかなく、同じ巡礼聖堂であるサン・セルナンに比べて(こちらはたいへん長い身廊であるため特に)寸詰まりな外観に見える。この寸詰まりで思い出したのはヘッセン州、リンブルク・アン・デア・ラーンの末期ドイツロマネスクを代表するザンクト・ゲオルク大聖堂でそれらのプランを比べてみると地域と時期の隔たりをこえて意外にも似通った部分がある。これら二聖堂で共通しているのは限られた立地条件であること、身廊部が4ベイであること、交差塔を高く目立たせていること、身廊の高さ/幅の比を大きくしていることなどである。

プランの比較
サン・セルナン サント・フォワ ザンクト・ゲオルク


サント・フォワとサン・セルナンの立面
サント・フォワはサン・セルナンに近い高さでありながら幅を詰めている



長身廊のサン・セルナン・バシリカ

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