Comentario al Apocalipsis
de Beato de Liebana

リエバナのベアトゥスによる黙示録註解

 イベリア半島アストゥーリアス王国、少し前にはイスラム教徒がポアチエまで侵攻しロンスヴォーの敗北も最近の出来事であった。サンティアゴ・デ・コンポステーラの聖人はまだ存在しない。イスラムの脅威や神学論争が身近に迫る中でリエバナ修道院長ベアトゥスは大著『黙示録』の註解を執筆した。この註解はすぐに筆写され、同時にモサラベ様式の挿画が付された。現存するのは23写本、一葉の断片から王のため特別に製作された豪華本を含み、イベリア半島をを中心にフランスやイタリアでゴート書体やカロリング書体で筆写され、9世紀から13世紀にわたる期間に製作された写本である。
 カロリング時代からヨーロッパで製作された黙示録写本は四系統に分類される。一連の「ベアトゥス本」は他の三系統と全く異なる個性的な挿画で異彩を放っている。

(このページの画像はサン・スヴェール本の挿画)

現存するベアトゥス本

系統T群
1シロス断簡Fcサント・ドミンゴ修道院図書室、シロスfrag.49c.
2マドリード本A1国立図書館、マドリードMs. Vitr. 14-110c.
3コゴーリャ本A2王立歴史アカデミー図書館、マドリードCod. Aemil. 3310c.
4エスコリアル本Eエスコリアル修道院図書館Cod. & II. 510c.
5サン・スヴェール本S国立図書館、パリMs. lat. 88781028-1072
6オスマ本Oブルゴ・デ・オスマ大聖堂Cod. 11086
7コルシーニ本Cコルシニアナ国立アカデミー図書館、ローマSegn. 40. E. 612c.
8ベルリン本B国立図書館、ベルリンMs. Theol. lat. Fol. 56112c.
9リスボン本L国立トーレ・ド・トム資料館、リスボン1189
10ナバーラ本N国立図書館、パリMs. nouv. acq. lat. 136612c.


系統U群a
11モーガン本Mピアポント・モーガン図書館、ニューヨークMs. 64410c.
12バルカバード本V大学付属図書館、バリャドリードMs. 433970
13ベアトゥス本断簡Fi国立図書館、マドリードVitr. 14-2B10c.
14ウルジェイ本U大聖堂付属図書館、セウ・ド・ウルヘルInv. 50110c.
15ファクンドゥス本J国立図書館、マドリードMs. Vitr. 14-21047
16シロス本D大英図書館、ロンドンAdd. Ms. 116951091-1109


系統U群b
17タバラ本T国立図書館、マドリードCod. 1097B968-970
18ジローナ本G大聖堂、ジローナMs. 7975
19トリノ本Tu国立大学図書館、トリノSgm. 1. II. 112c.
20ライランド本RJ.ライランド大学図書館、マンチェスターMs. lat. 81175
21カルデーニャ本Pc国立考古学博物館、マドリードMs. 21180
22ウェルガス本Hピアポント・モーガン図書館、ニューヨークMs. 4291220
23アローヨ本Ar国立図書館、パリMs. nouv. acq. lat. 229013c.


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