ザクセンロマネスク
Romanikstrasse

 本当はウェストファーレンのロマネスクをみてまわる予定だった。ザクセンのそれに変更になったのはライプツィヒとドレスデンに行くことになったためである。途中立ち寄ったマクデブルクでザクセン・アンハルト地方のロマネスクのパンフレットを見るまではこの地方に60もの聖堂があるとは思ってもいなかった。これまで知っていたのは有名ないくつか、ゲルンローデのオットー朝建築、マクデブルク(現存しない)、ニーチェの生まれたナウムブルク、メルゼブルクの各大聖堂くらい、ニーダーザクセンの方はもう少し馴染みがありヒルデスハイム、ブラウンシュヴァイク、ゴスラー、ケーニヒスリュッターなど重要な作例も多い。ザクセン州ではこれら60の聖堂を結ぶ道を「ロマニーク街道」Strasse der Romanikと名付けて観光の目玉にしている。
 ザクセン地方はオットー朝の諸皇帝たちの本拠地であったこと、教会の東ヨーロッパへの布教の前線基地となったことから独特の様式が発展した。


神聖ローマ帝国の東方進出

 ザクセン独特の様式の一つが「ザクセンファサード」である。ザクセンファサードの聖堂をブラウンシュヴァイクで初めて見たとき、前年にみたポアトゥー地方の聖堂と何とかけ離れているだろうと思った。同じ二塔型ファサードでもオールネィのサン・ピエール教会とブラウンシュヴァイクの大聖堂は距離の隔たり以上の違いがある。いくつかみた限りでは外観は装飾があまりない西正面は重厚で量塊感があり、それだけで一つのモニュメントと化しているように感じられた。読んだ解説によるとこのモニュメンタルな西正面は黙示録に出てくる天上のエルサレムの門を表しているのだそうである。同時に対異教徒政策として出来るだけ重厚な建築が必要であったのかもしれない。


ザクセン・アンハルト地方のロマネスク聖堂所在地

ザクセン・アンハルト地方
ザンクト・クルツィス二重礼拝堂 ランツベルク
Doppelkapelle Sankt Crucis, Landsberg

リーベンフラウエン修道院 マクデブルク
Kloster Unser Lieben Frauen, Magdeburg

ニーダーザクセン地方
ヒルデスハイム →ヒルデスハイムの四聖堂

ザンクト・ブラージウス大聖堂と宮殿 ブラウンシュヴァイク
Dom Sankt Brasius und Dankwarderode, Braunschweig

ザンクト・ペーター・ウント・パウル修道院 ケーニヒスリュッター
Benediktinerklosterkirche Sankt Peter und Paul, Königslütter

Deutsch Romanik

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